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お金のことは聞きにくい?

介護を伴う生活全般について相談先として、ケアマネジャーというお仕事があります。ケアマネジャーは、介護保険サービスを利用する上で、本人の健康状態から日常生活の様子、地域資源との関係など様々な視点からアセスメントと呼ばれる対象者の情報を得ていく役割があります。

「大きな病気などを経験したことありますか?」「朝ごはんは誰がつくりますか?」「夜は何回お手洗いにいくのか?」

と聞き取っていく内容は、本人が今どのように生活を送っているのかを知るために数多くあります。

ですが、多くのケアマネジャーさんから耳にするのは、「お金のこと(生活のやりくり)を聞くのは、聞きにくい。」という点です。病気や動作、人間関係は上手に尋ねていけるが、ことお金のこととなると、失礼な気がすると。

確かに、まだお会いして間もない専門職とはいえ、他人に財布事情をスラスラと話してくれるとは限りませんし、不躾に「年金いくらもらっているの?」なんて聞いたら、昨今の詐欺事件の多さを考えれば要らぬ誤解を生む心配をするのは当然です。

そこで、お互いにそんなに気を遣わずに収入面の見当をつけることができる尋ね方があります。これは主に年金収入の方が対象となります。

①これまでお仕事はどのようなことをされてきましたか? 自営業(経営者)や専業主婦などか、サラリーマンなど雇用関係

この質問だけでも国民年金受給か、厚生年金受給かの見当をつけることが少しだけできます。

もちろん、サラリーマンを経て、脱サラして自営業という方もいますので、その場合はさらに期間などを尋ねることが必要ですが、自営業を長くやってきたとなれば、国民年金受給が主となりますので、月額62,500円以内の年金が予想されますし、サラリーマンとして長年会社勤務をしていたとすれば、国民年金+厚生年金受給として月額62,500以上の年金受給があると思われます。

月62,500円生活は、かなり上手な家計のやりくりが求められます。ライフラインの費用や食費などに加え、ケアマネジャーさんが訪ねてきたとなれば、介護等サービス利用が必要なわけですから、介護保険自己負担が毎月どのくらい可能かを試算する必要があります。

ケアマネジャーさんから、今の体の状態だとデイサービス週3回、ホームヘルパー週3回、ベッドや歩行器のレンタルなど提案されたら、いったい幾ら払うことになるのか不安でケアマネジャーさんの話をきちんと聞いている余裕なんて無くなってしまうかもしれません。

だからこそ、ケアマネジャーさんが話をする中で、だいたいの年金収入に見当をつけていただいて、おおむね経済的な事情に配慮した上で必要となるサービスから提案し、概ね毎月自己負担がどのくらいになりそうかなどを付け加えていただきながら、ケアプランを作成し提案してくれると、生活を支えてくれる専門職として利用する人たちとの関係が少しずつ深まっていくことになると感じています。お金のことはストレートに聞きにくい事情は分かります。ですが、聞きにくいことをそのままにはできないものです。人の暮らしを支えるとなれば、入るもの、でるものを一緒に悩まないといけないときもありますから。

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