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実情を知る専門性がキーに

今年5月よりほぼ毎月1回のペースで開催をはじめた「社会福祉実践のためのブレイクスルーセミナー(当法人主催)」は、相談支援職の役割を担う人たちを対象とした医療や社会保障全般について、実情理解と専門領域を少し広げる機会として始めました。

ケアマネジャーや病院相談員、地域包括支援センター職員など、セミナー趣旨に賛同していただいた方々が、毎月参加をしてくださっております。

初回は、弁護士法人龍馬所属の板橋俊幸先生を講師に御招きし、「相続のこと」について少し内容を掘り下げて、相談支援における注意点なども交えてお話しをいただきました。
例えば、車の流れをよくするためにも交通整理を上手にすることが求められるわけですが、この交通整理がうまくいかないと最初の車の出だし遅れたり、互いの通行などの入れ替えがうまくいかないと渋滞を引き起こしたり、事故につながるなどがあります。これと同様に、様々な相談も資源の紹介や制度の利用の先にある「道」が少しでも見えていないと「相続を争族にしまうこと」だってあるかもしれません。また、専門職に相談者の困りごとのバトンを渡す渡し方もしらずに、リレーをするとそのバトンがつなごうとした専門職につながることなく、バトンの行方が分からなくなり、相談者が途方にくれるなんてことも生じかねません。

論語に、「子曰く、学は及ばざるが如くせよ。猶之を失わんことを恐れよ。」という言葉がありますが、学問をするとき、自分はまだ十分でないという気持ちをいつも持て。しかも、得たものは失わないと心がけよ。
といった内容があります。どこかしこで、同様の講座や研修会が開催されておりますが、講師に直接に質問や問いを投げかける機会のあるセミナーは、そうそうないように思います。

6月8日には、児童福祉サービスの現状とその支援課題と題して、群馬県社会福祉士会副会長であり、県下の中学校にて活躍する原口一美さんを講師に御招きし、児童福祉や学校の現場における支援の有り様や相談支援上の心構えなどに触れていただきました。

児童や学生を対象にした親御さんらの相談窓口は、各機関が様々な形で実施をしており、高齢者の相談体制よりも充実をしていることがうかがえましたが、社会や学校において子どもたちの置かれている状況は、当然のことではありますが10年前、20年前とはたいへん異なるものであり、親たちの環境も変化しています。

原口さんは「子どもたちから学ぶことがとても多い。」と講座の中で話し、子どもたちの情報を得る機会や情報スピードが速く驚かされることも多いとか。また、子どもたちが抱えている悩みや思いに耳を傾けるとき、胸が苦しくなることもあるとも話してくださいました。

太田市には、「子育て呑龍」と称される大光院があります。その昔、呑龍上人が、親亡き子などを弟子として養育した地でもあります。もちろん、時代背景や暮らし方はまったくことなりますが、こうした地で暮らす私たちだからこそ子どもたちが支援の対象と考えるのではなく、ともに育むべき将来の宝となるよう傍らでともに育てていく意識を身につけていきたいと思います。

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