昨年に引き続き、桐生市社会福祉協議会主催の福祉の街づくりセミナーの企画、協力に参加をさせていただいております。
今年1回目となるセミナーのゲストは、高崎健康福祉大学健康福祉学部の大口達也先生を御招きし「サロン活動を通じて、地域がいきいきするために」と題して、講義に加えて演習、意見交換を行いました。
昨年のセミナー実施後、桐生市内では新たに5ヶ所の地域サロンが立ち上がったそうで、これからサロン運営をはじめようとしている方もたくさん出席していただきました。また、今年から桐生市の共催にもなり、今後の活動展開への期待も膨らんでいます。
セミナーを行うことが目的ではなく、その後の展開にどのように貢献できるかを講師の先生方にもお願いし、具体的な展開像や地域の生活支援へとつながる要素を伝えていただいております。
私たち医療、介護の専門職は見慣れている「地域包括ケアシステムの図」を桐生バージョンでイメージを落とし込んでいただいたり、実際に互いに助け合うことは、ただ手を貸すことだけではないことなど幅広い関わり方についても触れていただきました。
桐生市は人口減少とともに高齢化が急速に進む街であることは、参加された皆さんも強く実感をされており、「何とかしていきたい」「できることは貢献したい」と考えている方も多く、その実施方法や参加の呼びかけには頭を悩ませる地区が存在していることも確かです。それは、ドーナツ化現象の市街地におけるマンパワー不足や交通事情です。
サロンを継続的に行うための人がいない
サロンに参加するための「足」がない
地方都市の課題としては割と代表的な課題なのではないでしょうか。
ここはアタマのヒネリどころです。
意見交換では、サロンに取り組んでいる方や始めようとする方各々が、思い思いに意見を出し合いました。
ある民生委員さんは、「既に、私たちはこうした活動をしてきた。サロンそのものの存在を知らない住民もいて、自治会が動きだせていないところもある。まだまだなんだよね。」と残念そうに話されました。
住民主体となるには、種まきをして根気よく水をまき、良い土を加え、芽が出てからもあたたかい陽の光があたるよう専門職の皆さんの役割も大切な水、土、光となるべきと感じます。
また、暮らしが便利になることを強く望んできたこれまでの数十年から卒業して、多くの生活家電や交通手段開発などを手がけてきた電機や自動車メーカーなどとその先の20年について考えてみたり、少し歩かないと利用できないが、返って安心ある見守りや役割を創れる「心地よい不便さ」などを住民同士で話し合うなど、20年先を見据えて考えていくことも必要なのかもしれません。
暮らしのステージごとに、少しだけ選択肢のある生活支援が創っていけたら、地域で安心して暮らすことにつながるように思うセミナーでした。