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「いのちを守る・身を守る」に込めた思い

7月のみま〜も・ぐんまのセミナーのタイトルは「いのちを守る・身を守る」にした理由は、セーフティネットとされる社会保障は、私たちの暮らしを全面的に支えることのできる万能なシステムではないということがきっかけでした。

2000年から始まった介護保険、戦前からはじまり変化しながら今に至る医療保険など私たちの暮らしを支えてくれる大切な制度ではありますが、保険財政は危機的な状況にあり、そしてそこに働く人材も不足をしている現実があります。行政も制度で支えるには限界があり、住民自らの意識を高めていくことの必要性を感じています。
 このような中で、いかに自らの健康や安心ある暮らしを考える「自助」や「予防」への意識を育むことができるかが、とても重要であり、そこに携わる人たちとこの街に暮らす人たちと一緒に行動を起こす種まきをしていくことが何よりも意義のあることだと思います。

 今回お招きしたのはSUBARU健康保険組合太田記念病院の救急救急センターERにおいて、救急看護認定看護師として活躍する小暮佳奈看護師さんです。また、ご縁を繋いでくださったのが、太田記念病院の居宅介護支援事業所に勤務する中村ケアマネジャーさんです。

冒頭、小暮さんは「皆さんは、自分のいのちをどのように守っていますか?」と参加者に投げかけました。

首を傾げたり、隣の方の顔を見るなどの仕草の方もいれば、自信を持っていそうな方もいました。

さらに講座の中で、「自分自身の延命処置を望みますか?」と尋ねるとほとんどの人が手を挙げましたが、「では、皆さんのご家族への延命処置は望みますか?」と尋ねると先ほどとは異なる反応がありました。
その後、リビングウイルのことなどを紹介し、日頃からの家族などとの会話の大切さや備えについてお伝えしていただきました。(見守りキーホルダーのことも触れてくださいました!)

フレイルの段階的な働きかけの大切さや実体験を交えた救急対応の話題などに触れていただき、参加された方々が「自ら備える」という自助への意識と互助における助け合いの意味を理解していただく絶好の機会となったようです。

小暮さんは初めて地域の方への講演を経験されたと話してくれましたが、2016年7月データでは、救急看護認定看護師は、全国で1,115名、群馬県では14名、太田市には小暮さんお一人という大変貴重な人材であること。そして、私たちが突然に倒れた時に初めて会う看護師である可能性は高いこと。こうして考えると、私たちがこうした日夜いのちと向き合う現場で働く人たちを応援し、支えることも自助のひとつと考えることもできるのではないでしょうか。セミナー終了後は、参加された皆さんから小暮さんへお礼と激励の拍手がたくさん送られました。

私のいのちを守ってくれる人は、もちろん救命救急の現場だけではありません。多くの専門職がこの街にはいます。今後も、セミナーを通じて地域の方たちにその存在を知っていただき、一緒に安心して暮らせる街づくりを創っていければと思うセミナーとなりました。

次回は、9月9日(土) 13:30〜 群馬大学太田キャンパス

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